【IPv4からIPv6の変更点】
・フィールドの簡素化
・40バイト固定長(基本ヘッダ)
・チェックサムの削除
・フローラベルの追加
・オプション機能は拡張ヘッダで対応
・ルータ(中継機器)でのフラグメント処理を禁止
フローラベル…効率的にアプリケーションフローを識別するためのフィールド
ネクストヘッダ…次のタイプのヘッダを定義する
Ipv6は一つのインターフェースに複数の種類(グローバルユニキャストアドレスやリンクローカルユニキャストアドレスなど)のIPv6アドレスを割り当てて使用できる
Ipv6アドレスが割り当てられるインターフェイス上には必ずリンクローカルアドレスが
割り当てられる
Ipv6のヘッダフォーマット
バージョン | トラフィッククラス | フローラベル |
ペイロード長 | ネクストヘッダ | ホップリミット |
送信元アドレス | ||
送信先アドレス |
【アドレス長】
IPv6アドレスは128ビットであり、16ビットずつ[:]で区切って
8個のフィールドに分けて16進数で表記する
【IPv6アドレスの省略表記】
・各フィールドの先頭は0の省略が可能
・0000は0に省略可能
・0のフィールドが連続する場合は[::]で表現可能
一つのアドレスにつき一回だけ
【アドレス関連】
グローバルユニキャストアドレス
先頭3ビットが[001]の[2000::/3]で始まるアドレスで
IPv4ののグローバルアドレスに相当する。
リンクローカルユニキャストアドレス
先頭10ビットが1111111010[FE80::/10]で始まるアドレス。
物理的に接続されているローカルネットワーク内のみで有効なアドレス
ルータを超えて通信することができません。
ユニークローカルアドレス
IPv4のプライベートアドレスに相当するもの(FC00::/7)
EUI-64
IEEEによって標準化された64ビット超の識別子
MACアドレスを元にして一意なインターフェイスを生成
EUI‐64のインターフェイスはMACアドレスの上位3バイトと
下位3バイトの間に0xFFFEを挿入し、U/Lビットと呼ばれる
先頭から7番目のビットを反転する
マルチキャストアドレス
先頭ビットが[1111 1111 (FF00::/8)
その後、フラグ(4ビット)スコープ(4ビット)残り112ビットはグループIDとして使用される
フラグはマルチキャストのタイプを表す。
4ビットのうち3ビットが将来のための予約されている領域であり、常に000であり
末尾1ビットがタイプをしめす。
永続的に割り当てられるアドレス:0
一時的なアドレス:1
スコープはマルチキャストパケットの有効範囲を表す
スコープが2
→特定リンクでのみ有効なリンクローカルアドレス
Ipv6マルチキャストアドレスのグループはIpv4マルチキャストアドレスを元に以下のテーブルのようになっている
説明 | IPv4 | IPv6 |
同一リンク上の全ノード | 224.0.0.1 | FF02::1 |
同一リンク上の全ルータ | 224.0.0.2 | FF02::2 |
同一リンク上のOSPFルータ | 224.0.0.5 | FF02::5 |
同一リンク上のOSPF指定ルータ(DR/DBR) | 224.0.0.6 | FF02::6 |
同一リンク上のRIP(RIPng)ルータ | 224.0.0.9 | FF02::9 |
同一リンク上のEIGRPルータ | 224.0.0.10 | FF02::A |
【ステートレスアドレス自動設定】
(SLAAC:Stateless Addless Autoconfiguration)
IPv6ホストが自動的にグローバルユニキャストアドレスを生成する方法
DHCPサーバーの必要がない
【DHCPv6】
DHCPサーバーによってIPv6ホストにIPアドレスやDNSなどのネットワーク設定情報を動的に割り当てる
管理者がホストアドレスの管理をしたいときに使われる
ステートフルアドレス設定とも呼ばれる
【ルーターからのアドレス配布】
ステートレスアドレス自動設定ともいう
ルーターはRA(タイプ134)でプレフィックスを通知する
ホストはRS(タイプ133)でプレフィックスを要求する
RAに含まれるプレフィックス長は64ビット
RAの宛先はマルチキャストアドレス(FF02::1)
【RIPng】
RIPng(RIP next generation)はディスタンスベクタールーティングであり
RIPv2を受け継いでいるらしい
コマンド周り
インターフェイスの確認
#show ipv6 interface
【IPv6のスタティックルートの設定】
(config)#ipv6 route <ipv6-address>/<prefix-length> {<nexthop> | <interface> } [distance]
例
(config)#ipv6 route 2000::1/128 2013::1/126 10
【ipv6へ移行する理由】
パケット転送処理の高速化(ヘッダ変更、チェックサム廃止)
ブロードキャストの廃止
アドレス自動設定機能(フラグアンドプレイ)
セキュリティ強化(Ipsecの標準実装)
【デュアルスタック】
1台の機器にIPv4とIPv6の両方のアドレスを設定し、IPv4ネットワークと
IPv6ネットワーク間で相互に通信する移行技術
【トンネリング】
IPv6ネットワーク同士をIPv4ネットワーク経由で、もしくはIPv4ネットワークを
IPv6経由で通信させる技術
【NAT-PT】
IPv4ホストとIPv6ホスト間で通信するために、トランスレータでIPv4パケットと
IPv6パケットを相互に変換する移行技術